昨年、いわゆる闇バイトによる空き巣事件が増加し、侵入犯罪に対する不安が全国的に高まっています。
とくに年末年始は旅行や帰省で家を空ける方が多く、犯罪リスクが高い時期と言われていますが、皆さま何事もなく年を越せましたか?
ご家族の安心と安全のため、これから家を新築される方は、防犯対策も含めた計画を。
Contents
一戸建ての防犯リスクと対策の基本

侵入窃盗の件数は2002年(平成14年)まで増加傾向にありましたが、翌年から減少に転じ、2022年(令和4年)まで減少を続けました。2023年(令和5年)にはやや増加していますが、これはコロナが明けてステイホームの期間が終了したことが原因だと考えられます。
一戸建て住宅は、マンションやアパートなどの共同住宅に比べて、空き巣被害に遭いやすいといわれています。
(警察庁 » 侵入窃盗データ)
その背景には、玄関や窓などの侵入経路が多い構造や、周囲からの視線が届きにくい環境が関係しています。
防犯の観点からは、補助鍵や防犯フィルムなどで物理的な侵入を防ぐだけでなく、不審者に「この家は侵入しにくい」と感じさせる環境づくりが重要。侵入に5分以上の時間がかかるようにする工夫が、防犯対策上の大きなポイントとなります。
防犯の視点を取り入れた外構設計

一戸建ての庭・外構は、防犯において重要な役割を持ちます。
中でも重要なのは、視認性の高さ。不審者が身を隠す場所をなくし、家の中からも外からも視線の届きやすい設計にすることが求められます。
具体的には、
・オープン外構で身を隠す場所をなくす
・防犯設備を組み合わせる
・植栽管理を徹底し環境を維持
などの対策が考えられます。
フェンス・塀
フェンスや塀をするのであれば、侵入者が乗り越えにくい高さを選ぶことが大切です。外壁と一体化したような、完全に庭を囲ってしまう塀であれば問題ありませんが、中途半端な高さで乗り越えられてしまう可能性がある場合には、格子状になった視認性の高いフェンスを採用することで、不審者の行動が目立ちやすくなります。
ガーデンライト
夜間の外構照明は足元の安全性を確保するだけでなく、防犯対策としても効果を発揮します。アプローチのほか、庭にも均等に照明を配置し、不審者が身をひそめておける場所をなくしましょう。ソーラーライトやタイマー付きライト、センサーライトなど、環境や使い方に合わせて照明の種類をお選びください。
植栽
アプローチや庭の植栽は建物の外観デザイン性を高める一方で、プライバシー確保という役割も持っています。ただし、密生した植木は身を隠す場所になりやすいため注意が必要。小まめに剪定するなど、適切に管理して視認性を維持しましょう。
砂利
コストダウンのため庭や駐車場を砂利敷きで仕上げることがありますが、砂利敷きの庭は不審者の足音が響きやすくなるため防犯上も有利に働きます。とくに1階に寝室がある場合などは、窓の外に砂利を敷いておくだけで人の接近を察することができるので、安心です。
窓まわりでできる防犯対策

まずは外構計画で敷地内への侵入を防ぎ、それでも不安が残るようであれば、侵入口となる窓まわりに対策を施します。具体的には、
・窓シャッターを設置する
・面格子を設置する
・窓に補助鍵を付ける
などの対策が考えられます。
面格子は取り外しできるものではないため場所を選びますが、窓シャッターならリモコンで自由に開閉できます。寝る時だけ、年末年始など長期間自宅を開ける時だけ、子どもがひとりで留守番するときだけなど、安全性を高めるとともに万が一の不安も解消できます。
補助鍵はホームセンターでも手に入り、自分で簡単に設置できます。ぜひ、お試しください。
立地や生活習慣にも注意を

空き巣は、思いつきで家を選んで侵入するわけではありません。きちんと下調べをしたうえで、ターゲットを定めます。
そのため、自宅の目の前にコンビニや駐車場、公園などがあると怪しまれずに下調べができるので、ターゲットにされやすいといいます。朝起きる時間、出かける時間、帰ってくる時間、夜寝る時間がいつも正確で、規則正しい生活をしているほど空き巣の被害に遭いやすいともいわれています。
不在時の安心を担保するためには、地域全体の協力も欠かせません。日頃から近隣住民とのコミュニケーションを図っておくことで、侵入しようとしている不審者の存在に気付いてもらえたり、不審者情報を提供をしてもらえたりと、地域の人々と連携しながら防犯に取り組むことができます。
防犯リスクには全方位から対策を

一戸建て住宅を守るためには、あらゆる可能性を考えて対策することが求められます。
塀やフェンスで、まず敷地内へ入れない。万が一入られた時でもセンサーライトや防犯砂利が反応し、視認性の高さで不審者の存在を確認しやすいような外構計画を。
さらに、侵入しやすい掃き出し窓や出入口には、防犯シャッターや補助鍵で対策を。
とくに小さな子どもや高齢者のいるご家庭は、日頃からのご近所とのかかわりも大切に。地域ぐるみで防犯性の向上に努めましょう。
執筆者プロフィール
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二級建築士/宅地建物取引士
» 建築設計事務所にて、確認申請や意匠・構造を含む実施設計図の作成、構造計算等の実務に従事。
» CADオペレーターとして公園設備や保育施設、土木現場、化学工場など、住宅以外の幅広い分野を経験。
» 建設会社の住宅部門にて、建築家との協働による注文住宅の営業を担当。お客様と建築家の間に立ち、設計の意図を伝え、暮らしの希望を形にする仕事に携わるなかで、「住宅について本当に知りたいことと、世の中に出回っている情報のあいだには、大きなズレがある」と感じるようになる。
その後、フリーの住宅ライターに転身。現在は合同会社カメレオン企画の代表として、住宅・建設業専門のコンテンツ制作に携わるほか、建築専門書籍の編集・リライトも手がける。
「住まいの内緒話」は、設計も営業も経験した住宅の【中の人】が、売る側の都合ではなく、住む人の目線で書く住宅メディアです。ネットに溢れる情報の「それ、本当?」に、できるだけ正直に答えていきたいと思っています。
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