この時期になると、どうしても気になってくる補助金のこと。すでに毎年恒例となっている『住宅省エネ2026キャンペーン』、2026年度は『子育てグリーン住宅支援事業』の後継事業として、『みらいエコ住宅2026事業』が実施されます!
新築では最大125万円、リフォームでは最大100万円が受け取れる一方で、補助金額の減額や申請期限の前倒し、災害リスク地域での制限強化など、知っておかないと損をする変更点も少なくありません。
これから注文住宅の新築やリフォームをお考えの方は、『みらいエコ住宅2026事業』の内容や2025年度からの主な変更点と今後の傾向などを、少しでも把握しておきましょう。
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2026年の住宅補助金『みらいエコ住宅2026事業』
2025年度まで実施されていた『子育てグリーン住宅支援事業』が、2026年度から『みらいエコ住宅2026事業』へと名前を変えてスタートします。名称が変わっただけでなく、補助金額や申請ルール、対象となる立地条件にも変更がありました。

背景にあるのは、国の住宅政策の方向転換です。単に省エネ性能の高い家を増やすだけでなく、災害に強い場所に家を建てること、そして新築だけでなく既存住宅の性能向上にも力を入れる──そんな姿勢が、今回の変更に色濃く表れています。
補助金額はどう変わった?
まず気になるのは、補助金の額ですよね。今回、新築住宅の補助額が全体的に減額される一方で、リフォームの補助額は大幅に増額されました。
〈新築とリフォームの補助額比較〉
| 住宅タイプ | 子育てグリーン住宅(2025) | みらいエコ住宅(2026) | 増減 |
| 新築(GX志向型住宅) | 160万円 | 110万円 | ▼31%減 |
| 新築(長期優良住宅) | 80万円 | 75万円 | ▼6%減 |
| 新築(ZEH水準住宅) | 40万円 | 35万円 | ▼13%減 |
| リフォーム上限 | 60万円 | 100万円 | ▲67%増 |
新築の補助金が減ったというのは、これから家を建てようと考えていた方にとっては残念なお知らせかもしれません。ただ、これは「高性能住宅が常識になりつつある」と国が判断したということでもあります。
補助金がなくても選ばれる家づくりへ──。高性能住宅は、次のフェーズに入りつつあるということなのでしょう。
寒冷地なら補助額が増える
2026年度からの新しい仕組みとして、寒冷地(省エネ地域区分の1〜4地域)では補助額が加算されます。
〈寒冷地加算の金額〉
| 住宅タイプ | 通常地域 | 寒冷地 | 加算額 |
| GX志向型住宅 | 110万円 | 125万円 | +15万円 |
| 長期優良住宅 | 75万円 | 80万円 | +5万円 |
| ZEH水準住宅 | 35万円 | 40万円 | +5万円 |
寒冷地では断熱性能を高めるために追加コストがかかるため、その分を補填する考え方です。北海道や東北、長野県など該当する地域にお住まいの方は、この加算をしっかり活用しましょう。
補助金がもらえない立地に注意
2026年度は「急傾斜地崩壊危険区域」「地すべり防止区域」が単独で除外対象に追加され、市街化調整区域以外でも一定の災害リスク地域が新たに除外対象となりました。
| 子育てグリーン住宅(2025) | みらいエコ住宅(2026) |
| 「土砂災害特別警戒区域」 | 「土砂災害特別警戒区域」「急傾斜地崩壊危険区域」「地すべり防止区域」 ※単独で除外対象となる区域が追加 |
| 災害危険区域(急傾斜地崩壊危険区域または地すべり防止区域と重複する区域に限る) | 立地適正化計画区域内の居住誘導区域外、かつ災害レッドゾーン内で市町村長の勧告に従わなかった旨の公表に係る住宅 ※立地適正化計画との連携を強化 |
| 市街化調整区域であって土砂災害警戒区域、もしくは「浸水想定区域」 | 市街化調整区域のうち、土砂災害警戒区域または浸水想定区域(浸水想定高さ3m以上) ※浸水想定高さの基準を明確化 |
| - | 市街化調整区域以外の区域のうち、土砂災害警戒区域または浸水想定区域(浸水想定高さ3m以上)、かつ災害危険区域 ※市街化調整区域以外にも除外対象を拡大 |
これは「省エネ住宅を建てるなら、安全な場所に」という明確なメッセージです。土地探しの段階で、必ずハザードマップを確認しておきましょう。せっかく気に入った土地が見つかっても、補助金が使えないとなると本末転倒ですからね。
新築住宅で受け取れる補助金額
新築住宅の補助金は、住宅の性能レベルによって3つに分かれています。

GX志向型住宅:110万円(寒冷地125万円)
長期優良住宅の基準を満たし、さらに太陽光発電設備や蓄電池などを備えた、”次世代の理想形”とされる住宅です。光熱費をほぼゼロにできる高い省エネ性能が特徴で、補助額は最も高く設定されています。
ただし、2025年度は補助金枠が7月に上限に達してしまい、準備していた方が申請できない事態も起きました。2026年度は申請件数に上限を設ける見直しが行われるため、早めの準備と申請が重要です。
長期優良住宅:75万円(寒冷地80万円)
耐震性や劣化対策、維持管理のしやすさなど、長く住み続けられる性能を備えた住宅。GX志向型ほどではないものの、十分に高性能で、バランスの取れた選択肢として人気があります。
ZEH水準住宅:35万円(寒冷地40万円)
断熱性能と省エネ設備で、年間の一次エネルギー消費量を大幅に削減する住宅。2030年には義務化される見込みで、すでに「最低ライン」としての位置づけになりつつあります。
実際、ZEH水準住宅(注文住宅)の申請期限は9月末と、他の住宅タイプより3ヶ月早く設定されました。これは「ZEH水準はもう特別ではない」という国の判断の表れです。
リフォームで受け取れる補助金額
新築の補助額が減った一方で、リフォームは上限が60万円から100万円へと大幅に引き上げられました。
2026年度からは、リフォーム前後の省エネ性能の改善度合いに応じて補助上限が設定される仕組みに変わります。

リフォーム補助の上限額-例-
- 平成4年基準未満 → 平成28年基準:100万円(上限)
- 平成4年基準未満 → 平成11年基準:50万円
- 平成11年基準未満 → 平成28年基準:80万円
- 平成11年基準未満 → 平成11年基準:40万円
築年数の古い家ほど、大きな補助が受けられる仕組みです。断熱改修や窓の交換、省エネ設備の導入などを組み合わせることで、光熱費を抑えながら快適な住まいへと生まれ変わらせることができます。
※1)平成4年基準…新省エネ基準
※2)平成11年基準…次世代省エネ基準
※3)平成28年基準…現行省エネ基準
2026年度から変わった6つのポイント
ここまで見てきた補助金額や立地要件以外にも、いくつか重要な変更点があります。

①ZEH水準住宅の申請期限が前倒しに
注文住宅でZEH水準住宅を建てる場合、申請期限が従来の12月末から9月末へと3ヶ月前倒しされました。予算の消化スピードを考慮した措置ですが、スケジュール管理には注意が必要です。
②GX志向型住宅に申請件数の上限
2025年度は予算額で管理していましたが、7月に突然受付終了となった反省から、2026年度は申請件数に上限を設ける方式に変更されます。詳細は後日公表されますが、申請の集中を避ける狙いがあります。
③工事着手要件の変更
重要な変更として、工事着手の基準が「基礎工事より後の工程」から「基礎工事そのもの」へと変わりました。具体的には、2025年11月28日以降に基礎工事に着手した住宅が対象です。スケジュール管理がより厳密に求められるようになっています。
④GX志向型住宅の事業者要件が明文化
2025年度はGX志向型住宅のみに事業者の協力表明が求められていましたが、2026年度はその内容がより具体的になりました。温室効果ガスの排出削減への取り組みや、省エネ性能を満たす住宅の供給割合の増加などが求められます。
⑤リフォームの補助要件が性能基準に
2025年度は「必須工事を2つ以上」という組み合わせ方式でしたが、2026年度は性能の改善度合いで補助額が決まる仕組みに変更されました。より実質的な省エネ効果を重視する方向です。
⑥寒冷地への配慮が制度化
これまで触れてきたように、寒冷地では補助額が加算される仕組みが導入されました。全国一律だった制度から、地域特性に応じた柔軟な運用へと変わっています。
補助金申請で失敗しないための6つのチェックリスト
補助金を確実に受け取るために、押さえておきたいポイントを整理します。

①施工会社が事業者登録しているかどうか
補助金の申請は、登録された事業者が行います。事業者登録していない場合事業者登録や担当者アカウントの発行は交付申請と同時にもできますが、余裕を持って早めに済ませてもらうようお願いしましょう。
マニュアルもあらかじめ確認してもらい、写真撮影などの不備がないよう依頼を。
②対象製品と対象外製品の見積もりを比較する
窓や設備機器には、補助対象となる製品とそうでない製品があります。両方の見積もりを出してもらい、補助金額も含めた総額で比較しましょう。
補助金額は施工会社でも、メーカーでも調べられます。
③リフォームの場合は改修前の写真を忘れずに
リフォームで補助金を受ける際、改修前の状態を証明する写真が必要です。できるだけ多めに、さまざまな角度から撮っておくと安心です。撮り忘れた場合はもちろん、写真の撮り方に不備があった場合、その分の補助金が下りない可能性もあります。
④必須工事の組み合わせを確認する
リフォームには必須工事があり、3つのカテゴリーから2つ以上を実施しないと補助金の申請ができません。必須工事が足りない場合は、窓リノベで補助金額が少ないものをみらいエコ住宅で申請するなど、工務店と相談しながら調整しましょう。
⑤写真はわかりやすく工夫する
申請用の写真は、編集や改ざんは基本的にNGです。ただし、不正ではなく該当箇所をわかりやすくするためのトリミングや文字入れなどであれば、問題ありません。担当者アカウントを発行すると専用の写真撮影アプリも使えるようになりますので、活用してもらいましょう。
⑥申請が難しそうなら代行も検討する
補助金の申請手続きは、施工会社が対応するのが一般的ですが、もし難しそうであれば(あるいは不安な場合は)、行政書士などの代行業者に依頼する方法もあります。
2026年の住宅補助金、どう活用する?
2026年度の住宅補助金は、新築の補助額が減り、リフォームが増額されるという大きな転換点を迎えています。背景にあるのは「高性能住宅を当たり前にし、既存住宅の性能も底上げする」という国の方針。

補助金は減ったとはいえ、新築で最大125万円、リフォームで最大100万円という金額は決して小さくありません。ZEH水準が「最低ライン」になりつつある今、長期優良住宅やGX志向型住宅を視野に入れながら、補助金以外の価値──光熱費削減、快適性、資産価値──にも目を向けながら家づくりを進めていきましょう。
申請期限の前倒しや工事着手要件の変更など、細かなルールも変わっています。早めの情報収集と準備が、補助金を確実に受け取るカギになります。施工会社とよく相談しながら、納得のいく家づくりを進めてください。